2007.09.27
+ したり顔
事象から影響を被らないところで事象について講釈する行為を「したり顔で語る」と表現するのを見ることがある。いや、見ることがあるどころか、評論家風の態度を批判含みで表現するときにはほぼ間違いなく使われると言っていいだろう。ただこの「したり顔」って、得意顔という意味である。
うまくやったといわんばかりの得意そうな顔つき。自慢げなさま。
「―に言う」「―をする」
[エキサイト 辞書 : 国語辞典 : したり顔より引用]
これは大辞林第二版だけれど、広辞苑、大辞泉でも同様の説明だったから、あまり揺れはなさそうである。俺の感覚では事後に語る様を表す言葉だったので、特に疑問はない。Webで見つかる語源辞典では次のように説明されている。
したり顔の「したり」の語源は、「○○をする」と使われている、動作・行動を行う意味の動詞「為(す)」である。
この「為(す)」の連用形に、助動詞「たり」をつけたのが「したり」で、うまく事が運んだ時に発する語であった。
「したり」に、表情の意味として「顔」をつけたのが、「したり顔」である。
[したり顔(したりがお) - 語源由来辞典より引用]
ただ、評論家調の物言いは事後に出てくることが多いし、たぶん得意気に語っているのだろうから、第三者の行為という点を除けば、「したり顔」でそうはずしていない場合も多そうだ。
「したり顔」でないなら、どう言うだろうかというと、俺は「訳知り顔」が思いつく。しかし、調べてみると「訳知り顔」は見出し語になかった。「訳知り」の用例として明鏡国語辞典にあったくらい。訳知り+顔でいいじゃんってことか?
追記(2007.09.30)
日本国語大辞典では項目になっていた。
1 遊里や遊びなどの事情によく通じているような様子。粋人ぶった顔つき。
2 事情をよく知っている、というような態度や顔つき。
[日本国語大辞典 訳知り顔より引用]
「遊びに通じた」という意味から、「よく知っている」に広がったのが訳知り。「うまくいって得意になっている」から、時間の感覚が落ちたのがしたり顔ってところか。
