2010.03.20
+ 日本はなぜ貧しい人が多いのか
新潮選書 日本はなぜ貧しい人が多いのか 「意外な事実」の経済学(原田 泰)
一般に語られる社会現象に対する通説を、データを基に覆していく。人口が減少したら豊かさは維持できないか?違うよ、みたいな。
通説は物語としての強さも持っていることが多く、それゆえ声高に語られるとき、胡散臭さを感じずにはいられない。そういった胡散臭さが次々に振り払われるので、実に爽快な本である。
ただ、データを基に議論するのは当然なのだが、単にデータを持ち出して論破するなんて単純な話で終わることはなく、通常、データそのものの信頼性、解釈を競うことになる。本書でも、通説の基になっているデータの、文脈に対する妥当性を問うところがある。こういったところが、個人的には実は問題になる。自信がない、と書くと単純すぎるが、統計資料にあたるとき即座に腑に落ちることが俺はあまりないのだ。ためつすがめつして、「そうかな?そうだな」と自分を納得させる。文脈であれ回帰分析のt値みたいな細かい話であれ、知識として知っていることと使いこなすことの差のようなものがある。だから先に爽快と書いたが、同時に宙ぶらりんのもどかしさに耐えることにもなる。
もっともこれは個人的な問題であって、この本には関係のない話。
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