アンゴル=モアでSTABO索具

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2017.08.30

+ 無題

前田正子『保育園問題』、よい本だった。著者は2003年から横浜市の副市長を務めていたとのことで、実情に通じているのか、共働き世帯の女性の視点で語られることが多い待機児童問題について、問題の背景を多角的に網羅しているように感じた。

特に目を引いたのは、成長の場としての保育所を指摘したところだ。ワンオペ育児、密室育児というと大都市で孤立している核家族の話のようだが、少子化で子供の集団が形成されなくなっている田舎こそ深刻かもしれないとか。家を出れば誰かに出くわしてそのまま遊ぶなんて状況が自然にできるのを期待できないのならば、同世代の子供が集まる場所としての保育所の役割は大きくならざるをえないだろう。

あと、著者は0歳児保育より1歳児保育を確実に受けられるよう注力して育児休暇をきっちり丸一年取らせるとの主張をしているようだが、俺も同意したい。いまの制度だと、年度の区切りに左右されすぎる。

保育園の問題は社会のひずみみたいなのが集まってて、一発で解決するというわけにはいかない。一つ一つ解きほぐしていくためにも、手軽に問題点を整理できるよい本だった。

保育園問題 - 待機児童、保育士不足、建設反対運動 (中公新書 2429)(前田正子 著)